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しぐれ


しぐれ(妙月龍姫)

竜の民と呼ばれる彼らは、昔、とある禁忌を犯したせいで魔獣の呪いを受け、地上を追放された一族だと言われている。高度な技術で雲の上に住処を築き、外の世界から切り離されたまま、静かな日々を送っていた。

その竜の民の中に、しぐれと呼ばれる龍の人がいた。月を思わせる冷ややかな気配と、淡い薄紅の身を持つ、不思議な娘である。青龍の系譜に連なる者であり、その真の名は妙月龍姫という。

しぐれは多くを語らない。雲の流れを眺め、遠い地上に思いをはせながらも、自ら進んで境を越えようとはしない。けれど、そんな彼女の運命もまた、外の海からやって来たひとりの異邦人によって揺らぐことになる。

雲の上の国へ迷い込んだその男をめぐり、しぐれもまた、龍の娘たちのひとりとして名を連ねることになった。それが恋であったのか、試練であったのか、それとも国の行く末を賭けた選定であったのか。まだその答えは、月の雲に隠されたままである。

それが、雲の上に生きる龍の人――しぐれである。

空想クラフト工房「雲の上の巫女たち」より