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クラゲ


クラゲ
⇒進化
進化後の姿

海辺の大きな国の王は、海賊の娘と恋に落ち、やがて結ばれた。

海賊の娘は、どんな傷でも舐めるだけできれいに治してしまう、不思議な力を持っていた。その一方で、彼女は人間でありながら、クラゲの魔獣でもあるという呪われた体質を、ひそかに隠していたのだった。

王と彼女のあいだに生まれた王子が六歳になった年のこと。二歳の第二王子の怪我を治している最中、その秘密は第二王妃に知られてしまう。そしてその日のうちに、王は「魔獣を殺せ」と命じた。

愛する王の裏切り。怒りと悲しみによって、彼女は魔獣へと姿を変え、雷を呼び、嵐を巻き起こした。

そんな母の暴走を止めようとしたのか。あるいは、その身をもって抱きしめようとしたのか。放たれた一発の銃弾が、王子の身体を貫いた。王子は、人の手ではないあたたかな感触に包まれながら眠りに落ちた。そして次に目を覚ましたとき、王子は凶暴な魔獣を討ち果たした勇敢な英雄にされていた。

彼女は、幾つもの銃弾を受けながらも王子の傷を癒やし、そして倒れたのだ。

これは第二王妃が、自らの子を利用して仕組んだ罠ではあった。だがその始まりは、ただ純粋に、その不思議な力を知りたいという欲から招かれた悲劇でもあった。王子がその真実を知ったのは、第二王妃が病で死の床に伏した、その間際のことだった。

空想クラフト工房「宝の海の魔獣たち」より